ジオラマ製作応援隊・雪素材の応用編 『流氷を作ろう!』
夏の気配が・・・気温も徐々にあがり、硬化や乾燥も随分と早くなってまいり
ましたので、ジオラマを作るのに、比較的、スピードアップが望めます。
皆さんもぜひ、好奇心いっぱいに、毎日、楽しんでジオラマ製作をしてくださいね
そんな今回は、後編として『割れた流氷の作り方』の続きを掲載します。
前編で作った流氷と水面素材とを合わせて全体のイメ―ジしていこうと思います。
では、進めてまいりましょう!
今回、メインで使用するのは、モーリンのスノーパウダー(新雪)とマットメデ
ィウムです。それらを流氷として形にしていきます。
ちなみに、私は、いつも、パウダー素材とマットメディウムを混ぜ合わせる時
は、施工するサイズを見て、勘で行っているため、それぞれの量を量ったり
していないのですが、初めての方は、やはり不安ですよね。
でも、いちいち量りを持ち出して計量なんて面倒・・・
そんな時に、使えるのが、下記画像の料理用計量スプーンです。
100円均一ショップなどで手軽に入手できます。基本、大さじ・小さじ・少量の
スプーンが、ワンセットになっているので、素材をちょっと合わせる時に便利
で、おすすめです。
今回は、割れた流氷の部分を、スノーパウダーを大さじ2・マットメディウムを
小さじ2、流氷の厚みをおよそ4ミリとすると、75ミリ四方の表現が可能です。
およその割合で混ぜていきます。上記の割合は、比較的、硬めの状態に混ざるの
ですが、使用までの時間が掛かる場合など、入れすぎない限りは、もう少量
マットメディウムを加えても構いません。
あくまでも、スノーパウダーのおよその量を決めたら、1度にマットメディウム
を入れなくても、少しずつ数回に分けて入れ、良く混ぜて適度な硬さになれば
いいんです。柔らかくなっちゃったという時にも、慌てずにスノーパウダーを
追加して調整しましょう。
そして、、書類などを入れる透明なフィルムなどの上に混ぜ合わせた素材を
ヘラなどで、水面の厚みをイメージしながら、お好みの厚さに塗っていきます。
*硬化後、容易に剥がすことができます。
写真のように上面をフラットにしたり、盛り上げたりも自由です。
そのまま、半日〜1日ほど置いておきますと、乾燥・硬化します。
硬化までの時間は、季節により若干、異なりますが、触ってみて完全に乾燥
していたら大丈夫です。表面が乾燥したら、上の画像のように裏表を返し
置いておき、完全に乾燥させます。
次に、それをカッター、もしくは、手でちぎって切り分けていきます。
写真は、それぞれの様子です。カッターを使用した場合は、切り口が、ほぼ
垂直になりますので、写真のように斜めにカットしたりして、いろんな形にして
いきましょう!作風によって、どちらでもよろしいかと思います。
*厚みにつきましてもカットして変化をつけるとより自然な表現になります。
これで、流氷の割れた部分の表現を作ることができました。
今回、使用した『新雪』は、1/35〜1/80スケールまで、そして、『粉雪』は
1/35〜1/150スケールと幅広く使用でき、さらに『粉雪・細目』は、1/144〜
1/220までと比較的、小さなスケールに対応していますが、スケールのみだ
けではなく、作品の雰囲気にあわせて、お選び頂くのもいいと思います。
☆それでは、後編です。
ここからは、前編で製作した流氷パーツを実際に配置していくベースなどに
触れながら、記載していきたいと思います。
↑まず、ベース板を用意し、着色しておきます。
ここでは、シナベニヤ板にスプレー式の木工用プライマーを吹きつけ
乾燥後、タミヤのアクリル塗料(シーブルー)で塗装してみました。
プライマーは、密着力の向上のためで、仕事柄、私は下地の調整に
常に気を配っておりますが、直接、塗装されてもOKです。
次にマットメディウムにスノーパウダーを混ぜ、ペーストを作り、ベース板
にしっかりと押さえつけながら、ヘラで塗っていきます。
*割れた流氷よりも若干、なめらかなペースト状にしてください。
厚みや形状は、お好みで結構です。
↑ここでは、ベース左側にも同様に施工してみました。
↑スノーパウダーが完全に硬化しましたら、次に水表現素材を流し込みます。
まず、セロテープでベース板側面と流し込む厚みに注意しながら、しっかり
と貼っていきます。貼り付け後、はがれていないかどうか、必ず、確認し
浮いていたら、しっかりと押し付け、貼ってください。
今回、使用するのは、光栄堂さんの『モデリングウォーター』です。
硬化後の収縮がないため、深めの水面も容易に表現でき、透明度も抜群
の素晴らしい素材です。おすすめ!
*リアリスティックウォーターやグロスポリマーメディウムの場合は、硬化後
に収縮しますので、厚みをみながら、複数回の流し込みが必要です。
流し込んだら、硬化する前に、次の工程に進みます。
*気温が高い夏場は、硬化が早くなりますので、迅速に作業を行います。
↑1・2 では、前編で製作しておいた割れた流氷パーツを置いて、指など
で軽く沈めていきます。配置は、自由です。
3 水表現素材を流し込んだ後、または、途中で気泡が気になりましたら
爪楊枝や細筆で気泡をつぶしたり、取り除いておきましょう!
4 サンプルなので、簡単な配置にしています。終了〜!
5 厚い流氷パーツの表面は、白いままですが、薄くカットして沈めたもの
は、写真のように、若干、半透明になります。
↑最後に、ペースト状のスノーパウダーを筆などで塗りつけ、高さを出したり
画一的でない表現にしたりとお好みで表現していくのも楽しい作業です。
この工程をしない場合は、前編の割れた流氷を作る工程で、フラットでは
ない様々な形状のものを製作しておき、それを配置しても、構いません。
鉄道ジオラマやレイアウトなどを中心に、ぜひ、流氷の世界も取り入れて
あなたオリジナルの情景を製作してみて下さいね!
今回は、スノーパウダーの『新雪』を使いましたが、Nスケールなら、『粉雪
・細目』や『粉雪』など、HOスケールなら、『粉雪』がおすすめです。
■番外編
↑綺麗な水面に戻りますよ〜!
*流し込み、硬化していく段階で付着したものは、除去できません。
ジオラマ・オンライン工房