ジオラマ製作応援隊・『川や海』のベースカラー表現
今回は、グロスポリマーメディウムとジェルメディウムの使用を例に
ベースとなるアクリル絵の具(リキテックス)のカラーについて掲載します。
特にジオラマ製作が初めての方のご参考になれば嬉しいです。
基本的に、ここでは、「川や海」というタイトルで紹介していますが
「湖」など水面ならお使いになれると思います。
また、アクリル絵の具のカラーは、他メーカーも含めますと様々ですので
いろいろと試してみられるのもおすすめです!
尚、単色で使用した場合やグラデーション風に色むらを施したものを含めて
「川」や「海」などに利用できるカラーの一部を紹介したいと思います。
■今回、使用のアクリル絵の具は、以下の8色です。
《リキテックス アクリル絵の具 レギュラータイプ》
○ブライトアクアグリーン ○エメラルドグリーン○ライトエメラルドグリーン
○フーカスグリーンヒュー○パーマネントサップグリーン○チタニウムホワイト
○ウルトラマリンブルー ○マースブラック
■今回、使用の水面素材は、以下の3種類です。
○グロスポリマーメディウム ○ジェルメディウム ○ヘビージェルメディウム
背景の風景の草素材は、ターフ(緑色・若草色)やコースターフ(緑)などを
中心に使用したしっとりとした風合いにしてみました。
ちなみに、私は、いつも、ジオラマ全体のイメージにより、都度、使用する
カラーを微妙に変化させていますが、初めて製作をされる方は、深く考えずに
まず、今回の写真のように原色のまま、もしくは、2〜3色でムラを作りながら
ベース色を塗ってみてください。もちろん、ご心配な方は、小さな木片や紙に
試し塗りをしてイメージを確認して頂いても結構です。
しっとりとした情景には、少し地味なカラーで、また、POPなイメージのジオ
ラマには、彩度のあるカラーを選んだり、様々な経験をしていくうちに、自分
のお気に入りのカラーが見つかっていくと思いますので、とにかく楽しんで
素晴らしい作品を作って頂きたいと思います。
では、『川』を見ていきましょう。
今回は、色具合を見るだけですので、深い作り込みはしていません。
着せ替え仕様にしてますので、枠がついていますが、気にしないで下さい。
工程といたしましては、グロスポリマーメディウムを流し込み、石素材を配置
して、完全に硬化後、ジェルメディウムを筆で叩くように塗っていきますが
塗ってから、少し時間を置いて、筆で叩くようにすると写真のような細かい
ディテールを表現することができます。
*リアリスティックウォーター・ウォーターエフェクトでもほぼ同様な仕上がり
となります。
もっとディテールを付けたい場合はヘビージェルメディウムやスーパーヘビー
ジェルメディウムを同じ方法で使うと良いでしょう。
最後にジェルメディウムが完全に硬化しましたら、流れを考えながら、チタニ
ウムホワイトでその表面をなでるように波頭用に色をつけます。
特に石周りの流れをするとリアルな感じがでます。
各アクリル絵の具を使った場合のイメージは、下記の画像をご覧下さい
(1)川の中央辺りを『エメラルドグリーン』で塗り、ぼかしながら、サイドに
『ライトエメラルドグリーン』でぼかし塗りしたものがベースです。
比較的、POPな雰囲気を持っていますので、写真を見て頂くと分かりますが
どちらかというと、このしっとりした情景よりも周りの情景が明るく彩度があっ
た方が良いでしょう。
(2)こちらは、『フーカスグリーンヒュー』を単色で使用しています。
(3)プルシャンブルーヒューの単色使用です。通常は、あまり単色では、使用
しませんが、雪情景の中の暗いしっとりとしたイメージの川表現に使用する
場合に向いています。
(4)こちらは、パーマネントサップグリーンの単色使用です。
深いグリーンの色合いを持っていますので、落ち着いた川の雰囲気に最適です。
(5) (4)のパーマネントサップグリーンを中央あたりに、両サイドをエメラルド
グリーンでぼかし塗り、更に片側のみにローシェンナを施してみました。
ローシェンナは、泥を表現するのにグリーン系と軽く混ぜたりグラデーション
気味にぼかし塗りを致しますと趣きのある表現が可能です。
*パーマネントサップグリーンに少量のマースブラックを混ぜて非常に濃い
グリーンにしています。
次は、『海』のカラーの一例を見てみましょう!
砂浜の素材は、明るいものが、モーリン・クラフトサンドAF-05ナチュラル色
グレー系のものが、同・クラフトサンドAF-02 ライトグレー色です。
アクリル絵の具は、原色で一旦、全体を塗った後、乾く前に砂浜の近くなど
を中心にチタニウムホワイトをぼかし塗りします。筆の先を左右に素早く動か
しながら溶け込ませていく感じです。完全に絵の具が乾燥したら、下の工程
に進みます。
次は、グロスポリマーメディウムを塗り、乾燥後、ジェルメディウムを筆で
叩くように塗り、硬化する前にへビージェルメディウムで波の形状になるよう
に塗り付けます。
それが、完全に硬化しましたら、波頭にチタニウムホワイトを使用しますと
写真のようなディテールに仕上がります。
プラ材などで仮枠をして、グロスポリマーメディウムを流し込み、少し厚めに
施工すると更にリアルな水面に仕上がります。
ぜひ、お試し下さい!
カラーは、あくまでも、およそのイメージです。
季節や表現する時間帯によっても、カラーは微妙に異なります。
情景に合わせて、カラーを選びましょう。
川の流れる音、打ち寄せる波の音を感じながら、製作してみてくださいね。
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